【最新】介護職員の賃上げ補助金を徹底解説|申請方法と要件
目次
介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業とは
「介護分野の職員賃上げ・職場環境毅然支援事業」は2025年度補正予算で創設され、介護現場の人材確保と定着を目的とし、国が賃上げと職場環境改善の費用を補助する制度です。
介護職の給与を最大で月1万9000円引き上げることを目指し介護従事者の賃金改善と職場環境改善を両立させるための「3階建て」の支援パッケージです。
ここでは、目的、対象期間、支給額の概要をご紹介していきます。
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制度創設の背景と目的
物価上昇が続く中、介護報酬の範囲内で必要な賃上げを捻出することが難しい事業所が増えています。
また、他企業と比較して賃金水準が低く、人材が流出し現場では深刻な人手不足が続いています。
そういった背景のもと緊急的な賃金向上を2026年度の介護報酬改定を待たずに、先行して大幅な待遇改善が実施することで、人材確保・定着を目的とした補助事業です。
対象期間と補助金の支給スケジュール
対象期間は2025年12月以降~2026年5月までの賃上げ・環境改善が対象です。(その後は、2026年6月以降の新しい介護報酬改定により、恒久的な制度へ移行)
都道府県ごとで申請受付開始時期と提出期限を設定する為、自治体への確認が必要ですが、一般的な流れは以下の通りです。
- 計画書・交付申請の提出:2026年1月~2月頃
都道府県へ計画書を提出。介護保険最新情報Vo.1467等で詳細が通知
- 補助金の交付(順次):申請が受理された事業所に、補助金が交付
- 賃上げ・改善の実施:対象期間中、確実に賃上げ・職場環境改善を実施
- 実施報告書の提出(事業終了後):計画に基づき実施した内容、金額をまとめて報告し清算
補助金の対象となる事業所と職員の範囲
ここでは、どの介護事業所・サービスが対象か、どの職員が賃上げの対象になるかを紹介します。
対象となる介護サービス事業所
対象となる介護サービス事業所は次の通りです。
対象サービス:訪問介護 通所介護(デイサービス) 入所系施設 居住系サービス 訪問看護 居宅介護支援 介護予防支援
また、以下の要件を満たす事業所が対象となります。
・処遇改善加算の取得
・職場環境改善(介護テクノロジーの導入、生産性向上など)に取り組む
・自治体ごとの申請を行う
賃上げ対象となる「介護従事者」の職種
対象となる介護従事者は介護職だけではなく、看護師や事務職など幅広い職種が対象となります。以下に厚生労働省が示した対象職種リストを記載します。
【対象となる職種】
・介護職員
・看護職員
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・理学療法士
・作業療法士などのリハビリ職
・介護助手
・その他、職場環境改善(研修実施や業務効率化)に関与する職員
法人本部職員や非常勤職員も対象になるか
法人本部職員は、直接的な介護業務に従事していない場合においても、介護減現場の業務効率化や職場環境改善、賃上げを実施する対象事業所において、間接的に業務を支えているといった場合などは、事業所が定める賃金改善計画の範囲内で対象に含まれる可能性があります。
また、パート・アルバイト等の非常勤職員も対象であり、雇用形態による制限は問わず対象者となります。
補助金申請の要件とクリアすべきポイント
補助金を受けるために事業所が満たすべき以下の要件があります。
- 必須の待遇改善:対象期間において、対象職員の賃金水準を低下させない
- 職場環境改善の取り組み:介護テクノロジー機器の導入 介護助手の配置 研修費への充当など
また、申請要件のクリアすべきポイントは以下の通りです。 - 「介護職員等処遇改善加算」を取得していること:原則として、加算を取得してい る事業所が対象
- 計画書の提示:賃金改善・職場環境改善の計画を都道府県に提出
- 情報開示:職場環境改善の具体的な内容や方法を職員に周知する
基準月と処遇改善加算の取得要件
基準月に介護職員等処遇改善加算を算定していることが要件となるため以下を把握することが重要です。
- 基準月(算定の基礎):2025年12月時点または都道府県が指定する月の介護報酬 額をベースにサービス職別ごと交付率を乗じて補助額を算出する
- 待遇改善加算との関係:本事業は「加算」ではなく「補助金」です
対象は介護職員ですが、法人によっては他の職員を含むこともある(ケアマネ 看護職など)
上乗せ補助の要件
本制度は、基本の賃金に加えてさらなる改善を行う事業所へ上乗せ支援として最大月に1万9000円相当が行われます。
2階部分の上乗せ補助を受けるためには、以下が主な要件です。
- 処遇改善加算の取得:既存の「介護職員等処遇改善加算」を取得している事
- 賃金改善の実施:補助金を活用して、介護職員等の賃金を改善する。前年同時期と比較し平均的な賃金水準を低下させてはいけない。
- 職場環境の改善:生産性向上、業務効率化、ハラスメント対策、キャリアラダーの整備など、具体的な職場環境改善へ取り組みを行う事
- 対象職員の拡大:訪問看護やケアマネ等のサービスも含めた、職種が対象
*参考
1階:基礎的処遇改善(従来の加算)
2階:物価高騰対策の追加賃上げ
3階:生産性向上・職場環境改善の上乗せ補助(最大54000円~19000円相当 事業所タイプにより異なる)
職場環境改善支援の要件
3階部分の職場環境改善支援を受けるための要件は以下の通りです。
- 生産性向上:介護ロボット センサーICT機器などの導入
- 働き方改革:研修の実施 介護助手(看護補助者)の配置 有給休暇取得促進
- ハラスメント対策:カスハラを含む、ハラスメント研修及び対策
- 周知義務:職場環境改善の取り組みを職員に周知する
補助金の申請方法とスケジュール
ここからは実際に補助金を申請する際の手順とタイムラインを紹介します。
申請先と申請単位
- 申請先:介護サービス事業所が所在する各都道府県。
- 申請単位:法人単位。統一都道府県内の複数事業所をまとめて申請可能。
- 必要手続き:
計画書の提出・・・各都道府県の期限までに「介護分他の職員の賃上げ・環境改善支援事業計画書」を提出。
賃上げ・改善の実施・・・事業計画に基づき実施。
実績報告書の提出・・・実施期間終了後、実績報告書を提出。要件を満たしているか清算を行う。
【最新状況】2026年1月~3月にかけて、各自治体において第1回目の申請受付が開始。
計画書の提出と実績報告書の提出期限
事業計画書(補助金交付申請)の提出期限は各都道府県が設定し、実務報告書の提出期限も都道府県で異なります。
以下に概要をまとめますが、各自治体の実施要項を必ず確認する必要があるため注意が必要です。
また、計画書と実務報告書は、各都道府県のシステムで行います。
- 計画書の提出:核と同府円が指定する期日までに、介護サービス事業所が所在する都道府県へ申請(一般的に2026年初頭)
- 実務報告(実績報告)の提出:補助金の対象期間終了(2026年月以降)、所定の「介護保険最新情報」や自治体の指定用式(実務報告書)を用いて提出
*上記内容は2025年12月以降の厚生労働省通知に基づく最新動向のものです。(2026年3月時点)
最終的な手続きについては都道府県の情報の確認が必要です。
申請に必要な書類と記載のポイント
申請は原則、都道府県ごとに行います。同一法人における複数事業所の場合は一括申請が可能です。以下に必要書類をリストアップします。
- 介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業計画書(所定様式)
- 賃金改善計画書(具体的給与改善内容)
- 職場環境改善計画書(ICT導入や研修計画など、具体的内容を記載)
- 契約書(要件を満たしている事の確認)
- 振込作口座確認書類
記載時のポイントとして、「賃上げと環境改善の両立」「職場環境改善の具体化」「前年比の維持」「複数事業所のまとめて提出」「緊急性・特別措置」が挙げられます。
また、根拠資料として以下のものを2年か保存する義務があります。
・賃金台帳
・出勤簿
・研修実施記録
・計画書
・実務報告書
・賃上げ実績の確認できる給与明細
・就業規則
・職場環境改善の領収書や契約書
など
補助金の使途と賃金改善の方法
受け取った補助金をどのように使うべきか、事業所が適切に補助金を活用し、職員に確実に還元する方法をご紹介します。
賃金改善経費の対象と分配方法
賃金改善の具体的な方法を以下に示します。
- 対象者:介護職員がメインとなる(最大19,000円相当/月)
職種や事業者によっては看護・事務など他職種(10,000円相当/月)も対象となる
*多職種への充当は、補助金額内であれば可能。(月額10,000円相当を6か月補助など)
*介護職の負担軽減に寄与する他職種への配分についても推奨。
- 分配方法:賃金体系に基づき事業所が決める
月額での改善が基本
同法人内の事業所単位で計画書を提出および申請する
尚、本助成金は賃上げに伴って増加した事業主負担分(法定福利や社会保険料など)も対象経費に含められます。
職場環境改善経費の対象と使い方
「職場環境改善経費」は職員の負担軽減や働きやすさに直結する取り組みが対象となります。主なものを以下にまとめます。
- 介護助手などの募集経費(求人広告・人材紹介手数料など)
- 職場環境改善のための研修費
- 専門家派遣費用
- 会議費
- ICT・介護テクノロジーの導入(*介護テクノロジー導入・協働化等支援事業などの他 の補助金と重複しないもの)
補助金の交付率と賃金改善所要額の計算方法
補助金は、事業所が申請した賃金改善額に基づいて計算されます。交付率はサービスや種別によって異なります。また、実務報告時に「賃金改善所要額≧賃金改善経費総額」を示す必要があります。
以下に、賃金改善所要額の計算例を示します。
○前提条件
・施設系サービス(特養・老健等)
・12月の介護報酬総額(処遇改善加算等含む):500万円
・想定される交付率(例):30%(この数字は仮定)
○計算例
5,000,000円×3.0%=150,000円月額の補助金
この補助金150,000円について
例えば「常勤介護職員3名」の賃上げに使用する場合
・1人当たりの賃上げ額:150,000÷3名=50,000円/月となります。
申請時の注意点とよくある質問
ここでは申請にあたって注意するべき点や、事業所からよく寄せられる疑問を整理してご紹介します。
【注意点】
- 申請単位:都道府県単位。法人単位でまとめての申請も可能。
- 申請期限:各都道府県が定める期日(早いところは2025年12月頃より順次)
- 遡及適用:申請時点で要件を満たしていなくても、期間中(令和7年12月~令和8
年5月)に計画を達成すればよい。
- 実績報告書:令和8年9月末日までに実績方向書(別紙様式3)の提出が必要。
- 他の補助金との併用:同じ経費に対して他の補助金(重点支援地方交付金など)を服従して受ける事は不可。(組み合わせは可能)
Q:補助金の債権譲渡や他の補助金との併用はできるか
A:補助金を借金などの返済などに充てる債権譲渡は不可。
重点支援地方交付金との併用は、同じ経費への重複補助でなければ可能。
Q:事業計画書提出後に廃休止する場合の取り扱い
A:提出時点で廃休止が明らかな事業所は対象外。
提出後にやむを得ず廃休止する場合は速やかに都道府県に提出が必要。
Q:医療・介護双方を提供する看護訪問ステーションの扱い
A:医療分野の賃上げ支援補助金と本補助金の双方を申請することは可能。対象職員や経費を明確に区分する必要がある。
まとめ
「令和7年(2025年)介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」は介護従事者の離職防止・定着促進を目的とした政府が補正予算で実施する緊急支援策です。
2026年6月からの恒久的な報酬改定(処遇改善加算)の前段階として、約半年間の賃上げを補助するものです。
補助金を活用することは、職員の定着率向上・採用力強化につながります。
早期の申請準備をすることで人材定着と経営効率化の大きなチャンスに活かせます。
是非、積極的な活用に取り組みたいところです。
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是非ご活用ください。
