小さなクリニックこそ接遇が命!患者さんに選ばれ続ける理由
目次
小さなクリニックは、大病院と違い医師やスタッフと患者さんの距離が近く、顔なじみになりやすいため、信頼関係を築きやすく継続的な関係を保つことができます。
それは「顔の見える診療」につながり、クリニックの最大の強みです。
患者さん一人に対して、きめ細やかなケアや対応が可能なため、患者さん一人のひとりの生活背景や家庭の事情に配慮した、親身なアドバイスやサポートをすることが出来ます。
大病院との差別化のポイントは医療技術だけではなく、地域密着性の高さや柔軟な対応、患者さんとの関係における心理的な距離にあります。
これらにより、地域住民からかかりつけ医として気軽に相談できるといった、信頼と安心感を得やすいのです。
クリニックで接遇マナーが必要な理由
クリニックに来院する患者さんは、病気やケガといったことへの不安や緊張を抱えた心理状態にあります。
そのため、スタッフが明るい挨拶や、穏やかな表情、丁寧な言葉遣いといった接遇マナーで接する事は、患者さんにとって精神的な負担を和らげ安心感を与える心のケアに繋がります。
厚生労働省の調査によると、クリニックを選んだ理由として「医師や看護師が親切だった」ことが一番であり患者満足度アンケートにおいても「親切にしてもらえてありがたかった」や「心に寄り添ってもらえた」という、接遇に関してポジティブな意見が多く寄せられています。
一方、接遇が悪かった場合には、患者さんは待ち時間などの他の不満に対してよりも不満と感じる傾向があることも結果として出ています。
また、優れた医療技術だけではなく、医師やスタッフの態度・言葉遣いも信頼関係の構築には不可欠です。
患者さんの立場に立った行動や傾聴の姿勢はクリニック全体への信頼を深めるという点から、クリニックは接遇で選ばれるという事実もあります。
患者さんは「また来たい」と思えるクリニックを求めています。
自分の経験はもとより、様々なクリニックの評価を参考にします。
また、良い接遇は患者さんからの口コミや評判を通じて新たな患者さんの獲得に繋がるため、長期的なクリニック経営にメリットをもたらします。
こういった口コミや評判は手軽にサイトで見ることが出来るため、クリニックの経営をも左右する時代と言えるのです。
そのために、患者さんが最初に接する場所である受付の第一印象が重要であると共に、スタッフ全員が「クリニックの顔」である自覚を持って信頼と好感を伝える良い接遇マナーの実践が重要です。
具体的な接遇ポイント
ここでは「受付」「待合室」「診察室」「会計」時の、具体的なポイントを述べていきます。
≪受付≫
クリニックの第一印象を良いものにすることが重要です。
マスクをしていても、柔らかい目元や明るいトーンで挨拶し、笑顔を伝えます。待ち時間が長い場合には、「お身体がお辛いところ、お待たせしてしまい申し訳ございません」といった配慮の声掛けが重要です。
良い例:診察券などは、両手で丁寧に受け渡しをする
悪い例:診察券などを片手で渡す
≪待合室≫
患者さんの不安な気持ちを和らげ、少しでも快適に過ごしてもらう気配りが必要です。
スタッフ間の私語やひそひそ話は患者さんに不信感や不快感を与える原因となるため厳禁です。高齢者や子連れへの配慮や体調が悪そうな方へ「お具合はいかがですか」「何かお手伝いできることはございますか」という気配りも重要です。
良い例:「お待たせして申し訳ございません。現在3名お待ちですので、およそ20分ほどの見込みです。」
悪い例:「今日は混んでるので、もう少しかかります」
≪診察室≫
患者さんが自分の健康状態を開示する非常にプライバシーに関わる空間なため、確実にドアを閉める配慮が必要です。
体調などを聞く場合の丁寧な言葉遣いと、患者さんの話を傾聴する姿勢が大切です。
良い例:「○○様どうぞお入りください」「お待たせ致しました」と静かに名字をお呼びする。悪い例:「○○さーん、どうぞー」と大声で名前を呼ぶ。
≪会計≫
会計はクリニックの印象を左右する大事な場面の一つです。丁寧な言葉遣いと迅速かつ正確な対応を心掛けることが重要です。
患者さんとしっかり目を合わせて穏やかな表情で応対します。金銭の受け渡しは丁寧に、両手で礼儀正しく行います。「お大事になさって下さい」に「お帰りどうぞお気をつけて」などの気遣いのプラスαの一言を添えることも必要です。
良い例:「次回のご予約ですが、宜しければ00はいかがでしょうか」
悪い例:「次回の予約ですが、00は一杯でダメなんですよ」
まとめ
小さなクリニックにおける接遇マナーの向上は、特別なことではなく日々の業務の中での積み重ねが重要です。
院長のリーダーシップのもとスタッフ全員で取り組む文化づくりをすることが必要です。
患者さんの不安な気持ちに寄り添い、安心と信頼を伝える接遇こそが、患者満足度の向上となり、クリニックの評判向上に繋がっていきます。
スタッフ全員が質の良い接遇マナーを実践することで地域に愛され、選び続けてもらえるクリニックとなるのです。
