【まとめ】感情のコントロールをするための考え方
目次
人は様々な感情を抱きます。プライベートは勿論、仕事をする上で良い人間関係の構築はとても大切です。そのために感情をコントロールしていくことが重要です。ここでは、その考え方と方法をご紹介していきます。
感情の重要性とその役割
人の感情にはポジティブなものとネガティブなものがあります。例えば一見、ネガティブに感じられる感情であっても、自分や周りでどのようなことが起こり、どのような対処が必要かを理解することが出来る役割があるのです。そのため、ポジティブなものは勿論、すべての感情が重要なのです。
感情の基本的な理解
そもそも感情とは「精神の働きを知・情・意に分けたときの上的過程全般」と定義されています。(広辞苑)つまり、人や物事に対して感じ取る気持ちや喜怒哀楽などを抱く気持ちの事です。この気持ちがあるからこそ、自分の行動や状況に気づき、それに対して適切に行動したり意思決定をしたりと対処することが出来るのです。
感情がもたらす影響
感情は私たちの日常生活や仕事に様々な影響を与えます。ポジティブな影響としては、「不安やストレスを軽くする」「良い人間関係を構築し、周りから信頼されサポートを受けやすく、リーダーシップにも良い影響」「免疫力が向上して、ガンなどの再発リスクを減らす」などがあります。一方、ネガティブな影響として、「ストレスの要因」「認知機能の低下やアルツハイマー病への可能性」「心身の健康を損なう可能性」などが挙げられ、身体への不調に繋がるのです。
感情と人間関係
次に、感情がどのようにして人間関係を形成し、コミュニケーションに影響を与えるかにつてご説明しましょう。人間関係の構築には相手との関りの基本に加え、相手の感情や意図の理解、そして自分に対する理解と共に、行動の調整や、集団との関わり方の基本が大切です。つまり、自分の感情を理解しつつ、相手を尊重し、共感し、受け入れる気持ちを持つことが大切なのです。時にそれは、相手の言葉だけではなく、表情や仕草からの理解も必要です。それをもとにコミュニケーションをとることで、良い人間関係が構築できるのです。
感情コントロールが難しくなる5つの要因
これまで述べてきましたように、人間関係を構築する上では感情が大きく影響します。
ストレス社会と言われる現代において、イライラする気持ちが溜まり、つい相手にぶつけてしまうという様な、上手に感情をコントロール出来ない人も増えているのです。
自己理解の不足
自己認識が低いと感情のコントロールは難しいのです。そのために、自分の感情パターンを知っておくことが必要です。例えば、怒りの感情をコントロールする為には、どんな時に怒りを感じるのかを、理解・把握しておくことが重要です。その時々に、メモで記録するなども、自己理解をする為の方法の一つです。
過度の完璧主義
完璧を求める姿勢がストレスを生み、感情をコントロールしづらくなることもあります。完璧主義者は、自分の思い通り・理想通りにならない場面においてイライラすることが多く、怒りの感情が表れやすくなるのです。
ネガティブな思考パターン
ネガティブな思考は、自分にとってマイナスな影響を与えます。その感情は怒りや不安、憂鬱などです。これらを改善するためのステップとして「これらの感情が生まれた状況や出来事を思い出す」「具体的な解決策を見いだす」「否定的に捉えすぎていないかと考える」「ポジティブなことに目を向けてみる」などがあります。
ストレスの蓄積
日常生活のストレスの原因は、天候や騒音など環境的、病気や睡眠など身体的、仕事や対人関係など社会的なことによるものから生じます。こういったストレスを溜めていると、緊張や不安、イライラ感により感情のコントロールが難しくなるのです。対処法としては、「体を動かして睡眠時間をしっかりとる」「好きな音楽や好みの香りなどでリラックスして気持ちを切り替える」「大きく深呼吸したり瞑想することで気分を落ち着かせる」などが効果的です。
睡眠の不足
睡眠不足は感情に悪影響を及ぼします。脳の感情をコントロールする働きが低下することにより、些細なことでイライラ・不安・抑うつというネガティブな感情になる可能性が高いからです。睡眠は重要です。なぜなら、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンの分泌を適正に整えることで、ストレスから回復することが出来るからです。また、自律神経のバランスも整うことで免疫力を高めることにも繋がるからです。
感情をコントロールする為の5つの対策
ここまでは、感情コントロールが難しくなる要因について述べてきました。ここからは、コントロールするための対策を5つご紹介いたします。
深呼吸と冷静になる時間
深呼吸をすることで、脳に十分な酸素が行き亘ります。副交感神経が高まってリラックスに繋がります。自律神経のバランスが整って肯定的な気分にもなれるのです。また、一時的にその場を離れて休息をとることも効果的です。その間に、感情を落ち着かせることが出来、相手も冷静になれるからです。些細なことにイライラしない自分を取り戻せるはずです。
怒りのトリガーを識別する
怒りを引き起こす要因は、自分の身を守るためにある感情です。他者により、自分にとって大切な人や物、価値観が傷つけられたり、思うようにならない場合に怒りの感情により守ろうとするのです。また、自分と相手との考えにズレを感じた場合に怒りの感情となるのです。怒りに繋げないための対策として、相手の価値観を認めることが大切です。そして「~であるべき」という自分の見方を変えてみる、ということも対策の1つです。
ポジティブなコミュニケーション
感情のコントロールには、前向きなコミュニケーションが役立ちます。ポジティブな言葉を選び使うことで、信頼や協力の感情を引き出すことに繋がり、相手との争いを防ぐことが出来るからです。相手を思い、寄り添い、相手の感情を理解する気持ちで伝えることが大事なのです。その方法の1つにアサーションがあります。相手を尊重しつつ、自分の感情や意見、要求を明確に冷静に伝え、誤解と対立を減らすこの手法の実践が有効です。
自己癒しの方法
自分の感情をコントロールするにあたって、自分自身を癒すためのセルフケアを知っておくことも大切です。例えば、瞑想することで心を落ち着かせることが出来ます。1日5分することでその効果は抜群です。或は、1杯のコーヒーを飲む時に、その時間だけは何も考えずにリラックスタイムと決めてみることでも良いのです。心身の緊張を和らげるために、ストレッチや友人とのたわいない会話も有効です。
十分な睡眠の確保
良質な睡眠を確保することはメンタルヘルスにとても影響し、感情のバランスを保つことにおいても大切です。睡眠の質を高める方法には、「規則正しさ」「カフェインやアルコールを控える」「音楽を聴く」など、就寝前のリラックスするためのルーティンや寝室の環境を整えることなどがあります。
日常に取り入れる感情管理の習慣
私たちは自分の感情をコントロールしやすくするために、日ごろからどのような心持ちで過ごすことが良いのでしょうか。ここではその方法をご紹介します。
他人の気持ちを考慮する
人は相手の感情に配慮することで、自分の感情をコントロールしやすくすることが出来るのです。こういった、他者の気持ちを考える習慣を日常に取り入れる習慣をつけることが大切です。日頃から相手の立場や気持ちに立って物事を考えることで、自分よがりに考えて怒っていた気持ちが抑えられることが多いのです。
気持ちの切り替えを練習する
気持ちがイライラしたり、怒りの感情が湧いた時には意識的に気持ちを切り替えることを心掛けましょう。その方法として、「6秒待つ」というものがあります。脳の仕組みによると怒りの感情は6秒待つと冷静になれると言われています。キレない自分になれる効果があるので、自分の感情管理に役立ちます。
柔軟な思考を持つ
物事に対して「答えはこれ!」というような考え方のこだわりを捨て、様々な意見や考え方に目を向けること、聴き入れるといった柔軟な思考を持つことで感情をコントロールすることに繋がります。他者と意見や価値観の相違がみられたときに、相手の立場を尊重することで、そういった考え方もあるのだということを受け入れることが出来るのです。「こうでなければ!こうあるべき!」と言う考えを見直していくことで柔軟性を高めていきます。
こういった考えを学ぶ時間に「感情のセルフメンテナンス研修」があります。研修を受ける事で、考え方や手法、実践方法を理解し、上手に感情をコントロールすることが出来るようになります。
まとめ
これまでに述べたように、感情コントロールは良い人間関係の構築においてとても大切なことです。日々の溜まったストレスによる、怒りやイライラといった感情が周りに伝わると、相手にネガティブな影響を与えたり、自分にとっても落ち込むような出来事につながります。そのために、人間関係が悪化することがあるのです。先ずは怒りの要因を理解し、日ごろからポジティブなコミュニケーションを心掛け、日常生活の中に深呼吸や良質な睡眠、癒しのセルフケアを取り入れることが大切です。
日本教育クリエイトでは、感情コントロールのための研修を行っております。
是非、ご参考になさって下さい。
医療機関向け:https://www.create-ts.com/iryou/emotional_maintenance.php
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