組織を強くするモチベーションコラム
モチベーションアップ

第1回 モチベーションってなに?

社員のモチベーションを高めるには?どうも最近モチベーションがわかない、仕事へのモチベーションが高まってきた——等々、職場や日常生活、あるいはスポーツ場面などでも、モチベーションということばを耳にすることが多くなりました。日常的なことばになりつつあるモチベーションですが、そもそもモチベーションってなに?モチベーションの構造は?と聞かれて、答えることはできますか。

よく、モチベーションは何かにチャレンジするときに大切になってくるものであり、大切なのはその何かの方であって、モチベーションそのものは科学や研究の対象になるものではない(まして、モチベーション行動科学部なんて!)という声も聞かれます。 けれども、モチベーションは古くから心理学の研究対象になってきているのです。近年は経営学や経済学の分野でも、モチベーションに関わる研究が生まれてきています。

私の専門分野は産業・組織心理学ですが、この分野で著名な研究者であるカナダ・ビクトリア大学のピンダー教授は、仕事へのモチベーション(ワーク・モチベーション)を「個人の内部および外部にその源をもつ一連の活力の集合体であって、仕事に関連する行動を始動し、その様態や方向性、強度、持続性を決定づけるもの」と定義しています。この定義からは、行動を特定の方向に向かわせる力、達成に向けて努力する力、努力を維持する力が、モチベーションという語に含まれていることがわかります。ピンダー教授の定義はワーク・モチベーションを対象にしたものではありますが、仕事ということばを課題と置き換えれば、広く用いることができるものです。

さらに見ていきましょう。この定義には、行動を特定の方向に向かわせる力も含まれています。そう、モチベーションには向かう先、つまり目標があるのです。努力する力も、努力を維持する力も、目標があるから生まれます。逆にいえば、目標がないところにモチベーションは生まれません。ですから、モチベーションという現象を問題にするときには、どのような目標がモチベーションに影響を与えるのか、モチベーションを高めるにはどのような目標が効果をもつのかといった、目標とモチベーションの関係を理解することが大切になるのです。

能力とモチベーションの関係

もちろん、適切な能力がなければ、モチベーションだけで目標に到達できるものではありません。能力があり、モチベーションがあってこそ、目標を成し遂げることが可能になります。

「彼はこの仕事について能力はあるのだけれど、頑張ろうとするモチベーションに欠ける」とか、「彼女は目標に向かうモチベーションは人一倍あるけれども、残念なことにまだ能力が十分でない」といった例もあります。つまり、能力とモチベーションのどちらが欠けても、高い成果を期待することはできないということであり、両者は相乗作用の関係にあるということができます。

ただ、能力を伸ばすことはそう簡単ではありません。昨日から初めて習い始めたスペイン語が、今日はもうペラペラということはありません。けれども、モチベーションはどうでしょうか。気が重かった営業の仕事が、お客様にちょっとほめられたことがきっかけで俄然モチベーションが湧いてきた。気分よく仕事に取りかかったのに、上司の小言でやる気が失せてしまった——。このように、モチベーションは少しの刺激で大きく変化するものです。なので、長期にわたって安定した成果を生み出すには、モチベーションをいかにコントロールしていくかが大切です。そのためにも、モチベーションの構造を知り、モチベーションに関わる要因について広く理解を深めていくことが必要になるのです。

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