主体性は性格ではない。環境が人を変えるという考え方
目次
なぜ職員は主体的に動かないのか
「主体性がない職員」という考え方を見直してみる
介護や医療の現場で、
「最近の職員は主体性がない」 「もっと自分で考えて動いてほしい」
そんな声を耳にすることがあります。
しかし本当に、主体性がない人がいるのでしょうか。
今回の動画では、「主体性」というテーマについてお話ししました。
結論から言うと、
主体性がない人がいるのではなく、主体性が出にくい環境や条件がある
と考えることができます。
つまり、職員個人の性格や人間性の問題ではなく、職場環境や関わり方によって主体性は大きく左右されるのです。
主体性を生み出す3つの条件
自己決定理論から考える
心理学には「自己決定理論」という考え方があります。
この理論では、人が主体的に行動するためには次の3つが満たされることが重要だとされています。
- 自律性
- 有能感
- 関係性
この3つが不足している環境では、主体性を発揮することは難しくなります。
反対に、この3つが満たされることで、人は自ら考え、行動しやすくなります。
① 自律性
「指示」ではなく「問いかけ」を増やす
自律性とは、
自分で選び、自分で決めている感覚
のことです。
例えば、
「これをやっておいて」
という指示だけでは、職員は受け身になりやすくなります。
そこで、
「あなたはどう思う?」 「どうしたらよいと思う?」
という問いかけを一つ加えてみましょう。
すると、職員は考える機会を持つことができます。
その小さな“余白”が、自律的な行動につながっていきます。
② 有能感
できていることを具体的に伝える
有能感とは、
自分はできるという感覚
です。
現場では、「できていないこと」に目が向きがちです。
しかし主体性を育むためには、「できていること」を具体的に伝えることが大切です。
例えば、
- 説明が分かりやすかった
- 今日の利用者様対応がよかった
- 声かけが丁寧だった
といった内容です。
具体的に評価されることで、自信が生まれ、「もっと頑張ってみよう」という意欲につながります。
③ 関係性
安心して挑戦できる環境をつくる
関係性とは、
自分が認められていると感じられる状態
です。
どれだけ能力があっても、
- 否定される
- 話を聞いてもらえない
- 失敗を責められる
という環境では、人は挑戦しなくなります。
反対に、
- 話をしっかり聞いてくれる
- 否定せず受け止めてくれる
- チャレンジを応援してくれる
環境では、安心して行動を起こせるようになります。
主体性を引き出す管理職の関わり方
今日からできる3つの実践
主体性を引き出すために、管理職やリーダーができることはシンプルです。
① 命令より問いかけを増やす
「どう思う?」 「どうしたらいいと思う?」という質問を増やしてみましょう。
② できていることを伝える
できていない部分だけでなく、できている行動を具体的に伝えましょう。
③ 否定せず受け止める
職員の意見や挑戦を、まずは受け止める姿勢を意識してみましょう。
主体性は「育てるもの」
環境づくりが組織を変える
主体性は、生まれつきの性格ではありません。
環境や条件によって育まれるものです。
もし、「職員の主体性が足りない」と感じる場面があれば、まずは職員を変えようとするのではなく、
主体性が発揮しやすい環境になっているか
を見直してみてはいかがでしょうか。
その小さな変化が、組織全体の成長につながるかもしれません。
動画で詳しく解説しています
職員育成のヒントとして
今回ご紹介した内容は、YouTube動画の中でより具体的な事例を交えながら解説しています。
職員育成や組織づくりについて考えるきっかけとして、ぜひ動画もあわせてご覧ください。
