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看護師に求められる接遇とは?接遇スキルを高める取組み方法も紹介

看護師に求められる接遇とは?接遇スキルを高める取り組み方法


治療に来院する患者様やご家族は、不安や心配な気持ちを抱えています。具合の悪い状況を理解してほしい、大切にして欲しい、という承認欲求を持っています。その為、看護師はこういった気持ちに寄り添った接し方をする必要があるのです。同じサービス業でも、例えば何かを楽しく買い物をする百貨店で行う接遇とは異なる視点での対応が求められるのです。
この接遇マナーは、基本の5原則から成り立っています。本記事では、看護師に求められる接遇とは何か、どのような取り組みが効果を高めるのかについてご紹介します。更には何故接遇マナー研修が必要なのかについて解説いたします。

接遇とは?

目の前にいる人に、ただ対応するという意味の接客とは違い、接遇には「おもてなしの気持ちを持って相手に接する」という意味があります。サービスを提供する際に、ただ目の前にある事柄を遂行するのではなく、「思いやりの心」を持って接遇マナーを実践することが大切です。

そもそも接遇とは?

接遇とは、「相手を理解し適切に迎える対応」のことです。常に、相手の立場に立って、相手のことを大切に思い、そのことを具体的な行動や表現によって伝えていく対応のことです。このことは、接客業やサービス業において、スタッフに求められる重要なスキルです。

看護師の接遇と一般的な接遇との違い

病院という非日常の場所に来院される患者様やそのご家族の気持ちはどのような状況でしょうか。心の中には不安や悩みを抱えていらっしゃるのです。ここが、一般的なサービス業と大きく違うということをしっかり理解することが大切です。そして、相手の心に寄り添った接遇を実践することが何より必要です。お客様を扱うような上下の立場があってはなりません。対等な関係を築くことが大切なのです。

看護師に接遇が求められる理由

看護師の大切な仕事の一つには、患者様やご家族と良い人間関係を築くことです。なぜなら信頼関係が構築されていることにより、心を開いて不安な気もちや心配事を看護師に相談することが出来るからです。

適切な医療を提供するため

病院にとって、何よりすべきことは安心して適切な治療を受けて頂くことです。その為には、情報を正しく伝え、疑問点や不安点をしっかり伺うということが必要不可欠なのです。つまり、そこには円滑なコミュニケーションが求められます。患者様やご家族とのしっかりとした信頼関係が出来てこそ、適切な治療へと進んでいけるのです。その為には、信頼と好感を伝えるための「接遇スキル」が欠かせないのです。

コミュニケーションが円滑になる

看護師の仕事を遂行する上で、「接遇力」を高めることは必須です。高いレベルの「接遇力」を身につけることにより、お互いを気遣う気持ちも高まります。その為、患者様対応は勿論のこと、医師や看護師同士でもコミュニケーションが円滑になるという良いサイクルが生まれます。

患者の満足度向上につながる

接遇の重要性を意識し、それを実践していくことは、つまり親切で丁寧な態度で接することに繋がります。そういった心に寄り添った接遇を受けた患者様やご家族は、「ここで診察してもらって良かった」という満足な気持ちが生まれ、接遇力が高ければ高いほどその満足度も高まっていくのです。そうなると、自然にクレーム抑制にもつながっていき、その結果、看護師の負担も軽減されていくのです。

看護師に大切な”接遇の5原則“

それでは、接遇力を高める要素には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。相手に思いやりの心を持つ、おもてなしの気持ちを伝えるマナーとして、習得するべき項目は5つです。これは接遇マナーの5原則と呼ばれ、例えば新社会人になったタイミングにおいて、実際の仕事のスキルを覚える前に人として、社会人として先ずは理解し整えておくべき礼儀でありマナーなのです。
以下の5つがその項目です。

5原則①:表情

表情は、人の第一印象を決定づける重要な要素です。例えば、いくら丁寧な言葉遣いだったとしても、表情が暗かったらその人に対して良い印象は持てないのではないでしょうか。
マスク越しでも伝わる笑顔を心がける、相手の気持ちに合わせた表情をするなど、表情一つで好印象を与えることができます。

5原則②:あいさつ

あいさつは、人とのコミュニケーションの初歩にして最大のツールです。明るい表情で元気よくあいさつをするだけで、相手からの最初の印象はグンと良くなります。
さらに状況に合わせて「今日も良い天気ですね」「お元気そうで安心しました」などの一言を追加できるとなおよいです。

5原則③:身だしなみ

ユニフォームの乱れや汚れは、相手に不快感を与えるだけでなく、所属する組織全体に対する信頼を損ねることになります。清潔感・安心感を与えるような身だしなみを心がけましょう。

5原則④:言葉遣い

敬語を正しく使うことも重要ですが、相手にやわらかい印象を与える言葉遣いをする必要があります。「恐れ入りますが」などのクッション言葉、「ご確認いただけますか」などの疑問形の依頼など、少しの工夫で相手に好印象を与えることができます。

5原則⑤:態度

相手の目線の高さに合わせる、物を渡すときは相手の目を見るなど、一つ一つの所作・立ち振る舞いが見られています。これらの正しいやり方を覚えて実践することで、お互いに気持ちの良いコミュニケーションが生まれます。

これら5つが、接遇マナーの5原則です。

看護師の接遇スキルを高める取り組み方法

接遇力を高め、円滑なコミュニケーションをとることが大切であることは理解できたところで、それではどのような取り組み方法があるのでしょうか。

看護師の接遇目標を立てる

接遇力を高めよう!と、声高らかに提案するだけでは身につくことには繋がらないものです。しっかりと身につけるためには、接遇の5原則ごとに具体的な目標を立てる必要があります。目標を明確にすることで、スタッフの接遇に取り組む意識が高まっていくのです。

接遇マニュアルを作る

医療現場における接遇スキルと共に、お越しになる患者さんやそのご家族が、何故来院されているかを理解することが大切です。どのような気持ちを抱えているかを考えて相手に寄り添える接遇とはどのようなものか、その接遇スキルを看護師全体に浸透していくには、全スタッフが共有出来るマニュアルの作成が有効です。接遇マニュアルを作ることで、スムーズに業務が遂行できるのです。

接遇スキルを定期的にチェックする仕組みを作る

接遇マニュアルを作った上で、それをもとにスタッフが同じレベルで均一な接遇を実践していくことが大切です。それは、看護師一人一人が病院やクリニックの顔となるからです。たった一人の看護師の対応が組織全体の評価に繋がるのです。そこで、接遇スキルをきちんと全員が定着させるには定期的にチェックをする仕組みが必要です。そして大切なポイントは、看護師個人に任せるのではなく第三者の客観的な視点が必要だということです。

接遇マナー研修を受講する

接遇力を高めるためには、しっかりと“接遇の基本5原則”を学ぶことです。正しく内容を理解し、それを実際の業務の場面で患者様やご家族への対応の際に実践していくことが大切なのです。接遇マナー研修とは、看護師の接遇スキル向上を目指す研修です。接遇マナー研修で、看護師の接遇スキルを均一に向上させることが出来るのです。

まとめ

「接遇力を高めると患者様やご家族とコミュニケーションが円滑になります!」
「心に寄り添ってくれるスタッフがいる病院やクリニックは満足度が高まり、選ばれていくのです!」
これこそが接遇力を高めるべき理由です。患者様やご家族に思いやりを伝える接遇、心に寄り添える接遇が、今の時代だからこそとても必要なのです。選ばれるためには、信頼されるスタッフ教育、接遇の5原則をしっかりと身につける必要があります。
そのためのきっかけとして、是非接遇マナー研修をご活用ください。

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