【介護の補助金をコンパクト解説】令和6年度介護人材確保・職場環境改善等事業(補助金)
目次
1.事業の概要
介護業界では深刻な人材不足が続いており、働き手の確保と定着が大きな課題です。
そうした状況に対応するため、政府は「介護人材確保・職場環境改善等事業補助金(令和6年度)」を創設しました。
本コラムでは、この補助金の概要や活用方法について、重要ポイントを絞ってコンパクトに解説します。
(参照:厚生労働省「介護人材確保・職場環境改善等事業」のご案内)
補助額
補助額は下記の計算式で算出されます。
ひと月あたりの介護総報酬×サービス類型別の交付率※
※交付率は提供するサービス種別によって異なります。
例)訪問介護::10.5%、特養:8.3%、通所介護:6.4%、、老健:4.3%
受給要件
(1)介護職員等処遇改善加算(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、又はⅣ)を算定していること
(2)職場環境改善等に向けて、以下のいずれかの取組を計画又は既に実施していること※
①介護職員等の業務の洗い出しや棚卸しなど、現場の課題の見える化
②業務改善活動の体制構築
③業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担の取組
※計画書内に、①から③のいずれの取組を行っているのか、チェック欄があります。
2.補助金の使途範囲と活用例
介護人材確保・職場環境改善等事業の補助金では、2種類の使い道が指定されています。
使い道①:職場環境改善経費
こちらには、介護助手を募集するための経費、職場環境改善のための様々な取組を実施するための研修費の経費、その他、受給条件(2)の①~③の取り組みを実施するための経費が含まれます。
ただし、介護テクノロジー等の機器購入費用は対象外となりますのでご注意ください。
使い道②:人件費改善経費
職員の処遇改善として、介護職員等の人件費(手当、賞与等/退職手当を除く)に充てることができます。
補助金活用のポイント
職場環境改善経費と人件費改善経費は併用することが可能で、比率の指定などはありません。
申請時には、補助総額と使途を提出し、実績報告にて内訳を記入します。
ただし、補助金として給付された額は、上記使途のために全額支出する必要があります。
職場環境改善の取組例
処遇改善加算の職場環境等要件に当てはめて考えると、下記のような取組が挙げられます。
■生産性向上のための取組
まずは生産性向上に取り組むチーム(委員会)を結成します。
チームメンバーを中心に、職場の課題の抽出や課題解決策の立案を行います。
その後、PDCAサイクルを回しながら、課題解決策を実行していきます。
■資質の向上やキャリアアップに向けた支援
例えば、中堅職員リーダー的ポジションとしての働きを期待し、リーダーシップ研修・マネジメント研修などを実施します。中堅職員のキャリアアップ支援や、チーム力の向上につながります。
■腰痛を含む心身の健康管理
健康診断・ストレスチェック・メンタルヘルスなど、心と体の健康管理が求められます。
この健康管理は、管理者による管理、自身による管理の両面からなされることが理想です。
当社でも、これらの取組をサポートさせていただいております。
気になる研修がありましたら、ぜひ一度お問い合わせください。
■生産性向上の取組支援サービスはこちら>>
■中堅職員向け研修はこちら>>
■メンタルヘルス(管理者向けラインケア)研修はこちら>>
■メンタルヘルス(一般職員向けセルフメンテナンス)研修はこちら>>
3.申請~取組実施~報告の流れ
ここでは、申請から始まる一通りの流れを簡単にご説明いたします。
STEP1:申請(計画書の提出)
まずは、介護人材確保・職場環境改善等事業計画書」を作成し、都道府県に提出します。
「2.補助金の支給要件及び使途」欄の該当箇所にチェックを入れます。複数チェック可能ですが、チェックを記入したものについては、後に実績報告をする必要があります。
計画書の様式は、各都道府県のHPから入手できます。
申請期限は、多くの都道府県において、令和7年4月15日で終了しておりますが、都道府県によって期限が異なります。詳細は各都道府県のHPをご確認ください。
STEP2:取り組みの実施
都道府県から交付の決定がなされたら、いよいよ各取り組みを実施していきます。
原則として、令和7年度内の取組において発生した経費が補助金の対象となります。
STEP3:報告(実績報告書の提出)
取組を完了した後、「介護人材確保・職場環境改善等事業実績報告書」を都道府県に提出します。
この報告書では、補助金をどう活用したか(使途内訳・効果)を記載します。
基本的には、こちらの報告書提出にて、本事業における手続きは完了となります。
4.まとめ
介護職員が長く、安心して働ける環境づくりは、ご利用者・ご家族の安心にも直結します。
今回の補助金は、事業者がその環境を整えるための強力な後押しとなります。
本当は取り組みたかったけれど、「予算が…」と躊躇していた生産性向上や各種研修等の取組について、この機会に着手してみてはいかがでしょうか?
5.本事業関連のサポートについて
当社では、本事業に関連したサポートをいくつかご用意しております。
もしご興味がある研修などありましたら、ぜひお問い合わせください。
①生産性向上の取組支援
介護事業所向けの人材育成事業を行っている当社だからこそ、生産性向上のための取組を研修等によって支援することができます。
現場職員の効果的効率的な業務配分や、課題解決施策の実行を通じ、生産性が上がることで、職員の業務負担の軽減、職員間の関係性向上により離職率の低下などが見込める、画期的なサポートサービスとなっております。
生産性向上の取組支援サービスはこちらから>>
②中堅職員向け研修
質の高い介護サービスの提供、介護施設での人材定着を図るためには、優秀なリーダーの存在は不可欠です。
周囲を巻き込み、部下を育てながら介護業務を遂行することはもちろんですが、最も重要な役割が、上司の補佐役です。
トップと一緒になって取り組めるリーダーを育てることが、質の高い介護サービスの提供や人材定着につながっていきます。
介護リーダー研修によって、上司・部下・他職種などを巻き込み、業務に取り組めるようなリーダーを育成します。理念の浸透、改善や改革等あらゆる成果を出せる組織になります。
中堅職員向け研修はこちら>>
③ラインケア研修
管理者の取り組むべきストレス対策として「ラインケア」があります。部下のいつもと違う様子にいち早く気づき、相談対応、職場環境改善などを務めることを指します。
そのために、管理者はメンタルヘルスに関する基本知識だけではなく、部下・職場全体のストレス状況の把握やそれに対するアプローチ方法を理解しておく必要があります。
管理者のラインケアのスキルは、部下のメンタルヘルスにも大きな影響を与え、職員の定着はもちろんのこと、自身のメンタルヘルスにもつながります。
メンタルヘルス(管理者向けラインケア)研修はこちら>>
④感情のセルフメンテナンス研修
「感情をコントロールできず、他者に対して感情的になる職員がいる」
「自分の価値観を人に押し付けてしまう職員がいる」
「人間関係が悪化・・・離職者も増えている」
といった事態が起こっていませんか?
職員一人一人が感情をコントロールし、お互いを尊重しあうようなコミュニケーションをとれるようになれば、職場の雰囲気も良くなり、生産性も向上するはずです。
当社ではそのスキルを「感情のセルフメンテナンス」と呼んでおります。
メンタルヘルス(一般職員向けセルフメンテナンス)研修はこちら>>