組織を強くするモチベーションコラム
コミュニケーション

【コロナに負けるな!】たった1枚のマスクがコミュニケーションを破壊する?

浮き彫りになる「組織としての課題」

新型コロナウィルスの影響で、一般企業はテレワークや在宅勤務へ移行しています。
しかし、医療・介護従事者は、患者様、利用者様と向き合う必要があります。
在宅でお仕事というわけにはいきません。

日々、最前線で懸命に働いている皆様も、各家庭では心配事だらけではないでしょうか。
「学校が休校で、子供たちが家でお留守番をしている」「ご両親が高齢で持病がある」など、心配事は尽きないかと思います。
また、外来の方、入院の方、お見舞いの方、そんな方々にいつ感染者が出るか。仕事とはいえ、気が気ではないですよね。
「本当は休みたい!」と思いつつも、「患者さん・利用者さんも放っておけない…」「収入が…」というのがホンネではないでしょうか。

出口が見えないような不安に、そろそろ疲れがたまってイライラしてしまうことが増えてきてはいませんか。
そんな中、職場内では、今まで感じたことのない「組織としての課題」が見えてきた、という方はいませんか
個々のストレスや不安が、少しずつ職場の職員同士の関係性へ、そして最終的には組織全体のパフォーマンスに大きく影響してしまうことがあります。

物理的コミュニケーションの遮断

感染対策の徹底のため、いつも以上に気を付けているマスクの着用。マスクは、飛沫や接触感染などの感染経路を断ち、その可能性を減少させるためにも必要不可欠な対策です。
その一方で、働く上で大切な「対面でのコミュニケーション」に大きなダメージを与えます。物理的にコミュニケーションが遮断されてしまうためです。
人間が他の動物と違う点は、コミュニケーションにおいて、その「表情から気持ちを読み取る」スキルがあること、ともいわれます。マスク1枚の隔たりが、表情という「非言語」によるコミュニケーションを分断してしまう。そんなことが起きていませんか。

①感情の読み違いによる誤解

ご家族・関連職種や業者の方などに対して、どのような対応をされていますか?
感染リスクを避けるために、面会・面談・来客応対・会議などをできるだけ減らし、なるべく電話・メールを用いる、というケースが多いのではないでしょうか。

しかし、それにより雰囲気・声のトーン・大きさといった、感情によって調節・表現される部分の情報が、明らかに減少します。その結果、普段と同じ対応であるにもかかわらず、「事務的で冷たい印象」と受け取られてしまったり、思わぬ誤解が生じて相手の感情を損ねたり、いわゆる「関係性が悪くなってしまう」ことが起きてしまいます。

②見えない壁

表情がみえないため、相手のニーズや気持ちに「気づきにくい」といったことがあります。
患者さんや利用者さんに対しては、それほど大きな支障がないかもしれません。
職員全員が「相手のニーズ・気持ちに敏感にならなければ!」という、医療・介護サービス提供者としての仕事意識を持ちながら接しているためです。

しかし、職員同士の関係については、少し話が変わってきます。多くの職員が、職員間のコミュニケーションを業務の「間接的なプロセス」と捉えています。
すなわち、職員間のコミュニケーションは「医療・介護サービスを提供する」ためのプロセスに過ぎない、と無意識に軽視してしまうのです。だから、相手への配慮がおろそかになってしまうのです。
「このくらい当たり前」「わかってくれるはず」。身内であるという甘えもあって、お互いの「もう一歩」を歩み寄らず、すれ違ってしまうということが起きてしまいます。そのため、声がかけづらくなったり、相談しづらくなったり、「見えない壁」が生まれてしまうのです。業務上に必要な「確認」の精度が落ちてしまうことにもつながりかねません。


③他責志向

確認がおろそかになると、お互いの仕事の成果や、進捗も把握しづらくなります。上司が部下の仕事を把握するのは勿論ですが、場の仲間同士が「お互いの仕事が見える」ことは、職種間連携や部署間の協力の上でも大変重要です。
これがなくなると、お互いが自分の目の前の仕事だけを黙々とするような、「自己完結型」の思考になりがちです。すると、何かトラブルが起きた際に、「自分はこれだけやっているのに」「私はちゃんとやっている」といった考えから、「あの人は…」「○○さんのせい」といった他者に責任を転嫁しやすい、または、他者を攻撃する思考に陥りやすくなってしまいます。
また、業務の質の低下や、意思の疎通が困難になるだけでなく、職場のチームメンバーとしての一体感が失われ、組織や仕事へのコミットメント、帰属意識も低下し、「働くモチベーション」にも影響が出てきます。

まとめ

いかがでしょうか。
「たかがマスク1枚で」と思われるかもしれません。
しかし、たった1枚の布をもって顔を隠し、コミュニケーションの一部を遮断するだけで、コミュニケーションの質が低下したり、果ては全く会話もないまま1日が過ぎたり、ということが起こってしまいます。
若干の息苦しさも伴ってイライラしたストレスが増加し、ほんの些細なすれ違いから、感情的ないざこざのきっかけとなり、信頼関係に大きなヒビが入ってしまいかねません。

組織内の関係性の質を高めよう

組織内の関係性の向上には、「情報共有の場」と「共通目的の再認識」が必要です。
ほんの少しの時間、他愛もない言葉かけや、雑談からでも結構です。お互いの業務だけでなく、愚痴でもよいので今の感情や思いを共有したり、自分なりの工夫を教え合ったり、情報共有をする機会がことのほか重要な役割を果たします。
例えば、「1日1回5分だけでも、必ずステーションで会話する」と決めてしまうのもよいでしょう。

弊社の研修ではよく、「オフサイトミーティング」といって、真面目な会議でも、ラフな飲み会でもなく、1日最低2分、職場内の1人に話しかけるということを推奨しています。
ただ意識的にやってみるというのは、実はあまり効果が期待できません。思い切って“ルール”や“仕組み”にしてしまうのはいかがでしょうか。
最初は面倒くさいと思っても、続けていると習慣になり、効果が自ずと出てくるものです。

こんな時だからこそ、日々の業務に埋もれてしまいがちな「感謝の気持ち」を伝え合う機会を積極的に作りましょう。
「マスクでも遮断されない信頼関係」で繋がる強い組織のために、もう一度見直しが必要です。

日本教育クリエイトで行っている研修

弊社では、コミュニケーション研修をはじめ、各事業所・施設様向けの研修をご用意しております。
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