組織を強くするモチベーションコラム
組織マネジメント

介護向け生産性向上の研修を実施した結果・・・

生産性向上の研修でわかったこと

こんにちは!日本教育クリエイト研修部の権守(ゴンモリ)と申します。
先日、とある介護事業所様にて生産性向上に向けた研修をやらせていただきました。
「処遇改善加算の取得のためにも、この機会に生産性向上を進めていきたい」
というご要望から、研修を承りました。
今回の研修で感じたことを皆様にも共有させていただきます。
皆様の事業所で生産性向上の取り組みを進める際、どのようなところでつまづきやすいのか、何で苦労するのか、一つの参考になれば幸いです。

1.生産性向上の定義がバラバラだった・・・

研修では、「まずそもそも、介護における生産性向上って何?」
という話題から始めましたが、各受講生がイメージする生産性向上はバラバラなものでした。
「業務効率を上げる?」
「無駄な業務を無くす?」
「仕事のスピードを上げる?」などなど
研修では、この認識を統一することからスタートします。
私たちは、介護における生産性向上とは「サービスの質向上」を意味する、と考えています。
その過程で、業務効率や業務の取捨選択などの方法が採られるかもしれませんが、それは手段であり、全ては「サービスの質向上」という目的に向かっていなければならない、と考えます。
介護は「人対人」のサービス業である以上、単純に業務効率に執着するような思考は、適切でない場合があります。この認識を統一することで、目的を見失わずに生産性向上を進めることができます


2.最初は愚痴を言い合うだけだった・・・

生産性向上を進める上で、避けて通れないのが「現場の問題抽出」です。
研修では「原因」「問題」「悪影響」の3項目について、因果関係図を作成するようにしています。
まずは問題を抽出し、次にその問題の原因や悪影響を考えていきます。
問題の抽出の場面で良く起こる現象が、「愚痴を言い合う時間になる」ということです。
自施設だけで会議などを行っていると、ネガティブな話ばかりで建設的な意見が出てこなかった、ということは、起こりうることではないでしょうか。
「人手が足りない」
「設備が老朽化している」
「○○さんは全然仕事をしない」などなど

まずは一旦毒を吐ききることは重要です。
しかしもっと重要なのは、講師のファシリテートによって、ネガティブなパワーをポジティブな方向に転換させることです。
例えば、「人手が足りない」というネガティブな認識が広まっているようであれば、「今いる人手でなんとかまわせるようにする」というポジティブな認識に変えます。
「人手が足りない」は「問題」ですが、「今いる人手でなんとか回せるようにする」は「課題」です。
このように、問題を課題に変換するフェーズが、いわゆる「課題設定」というものです。
これにより、前向きな議論が繰り広げられるようになっていきます。
実際、今回研修を行った法人様は、研修後にも自施設で会議を実施されたそうですが、かなり前向きで活発な議論ができて、驚かれたそうです。
「ネガティブな議論をポジティブな議論に方向転換する」
「自施設内で建設的な議論ができるようにする」
これは、講師のファシリテート能力によって成しうることであり、ここに、研修を実施する意味があったなと感じております。

3.7つの類型で問題を整理するとやりやすい?

介護事業における生産性向上の取り組みをどのように進めるか、やり方は色々あるかと思いますが、一つのやり方として、厚生労働省が発信しているガイドラインに沿って実施することをお勧めしております。
ガイドラインにおいては、まず現場の問題を抽出し、「因果関係図」を作成する、ということから始めることを推奨しています。原因・問題・悪影響を挙げ、関連するものを矢印で結ぶ、という図です。
こちらを作成することで、現場では今何が起こっていて、どこから手を付けていけばよいかが、視覚的にわかるようになります。
研修内でもグループごとに因果関係図を作成していきます。思いついたことを付箋に書き、模造紙に書いて貼っていく。議論を交わしながらそれらを整理していく。研修内でもかなりの盛り上がりを見せる時間です。
その際には、「どう整理するか」がポイントとなります。
付箋に書いてたくさん貼ったのは良いものの、どう整理すればよいやら・・・。

この点、厚労省のガイドライン上では、7つの類型で整理することを推奨しています。
(1)職場環境の整備
(2)業務の明確化と役割分担
(3)手順書の作成
(4)記録・報告様式の工夫
(5)情報共有の工夫
(6)OJTの仕組みづくり
(7)理念・行動指針の徹底
研修においても、これらの類型を使うとかなり整理ができていました。
皆様の事業所においてもご活用いただけるのではないでしょうか?


4.因果関係図の作成でよく見かけたワード

当社では今回の研修を含め、様々な介護事業所において生産性向上に向けた研修を実施しております。
その中で、問題抽出の際によく見かけるワードがありますので、ここで共有させていただきます。
皆様の事業所においても、どれかは問題として当てはまるのではないでしょうか。考える際のヒントとして、ぜひご活用ください。
◎よく見かけるワード
・育成
・マニュアル
・離職
・多職種連携
・マネジメント
・外国人
・残業
・コミュニケーション
・ICT化
・職場の雰囲気

今回の研修では、
「育成」
「他職種連携」
「マニュアル」
これら3点を優先課題とし、取り組むことに決めました。

5.実行計画は、達成の基準とセットで考えないと意味が無い!

生産性向上の研修では、厚生労働省のガイドラインに基づき、問題の抽出、因果関係図の作成から始まります。
それらが完了したら、いよいよ実行計画を立てていく段階に移ります。
例えば、「新人が育つ体制を作る」という課題について、色々な実行計画を立てるとします。
多くの事業所において、何を実行すればよいかは色々なアイデアが出てきます。ただ、忘れてはならないのが、「何をもって新人が育つ体制を作れたと言えるのか」ということです。すなわち、課題解決の達成の基準を最初に決めておく必要があります。
これが欠けていると、達成したかどうか誰も把握することができず、計画が中途半端に終わる恐れがあります。
例えば「新人が育つ体制を作る」ということを進めるのであれば、「◎◎ができる人数を○人以上にする」等の定量的な基準や、「介護の◎◎に関する知識を習得する」といった定性的な基準を設けることをお勧めいたします。
研修では、こういった基準の設定に慣れていない方が多く、初めは苦労されていましたが、講師のアドバイスや他社事例の提示などにより、徐々にできるようになっていきました。

まとめ

生産性向上の研修を通して感じたことを書かせていただきました。何か参考になりましたでしょうか。
生産性向上の取り組みは、「処遇改善加算」の取得要件の一つにもなっており、あらゆる介護事業所において必要なものです。
基本的には厚生労働省が発信しているガイドラインや各種ツールを使用して進めていくことをお勧めします。

「今までそのような取り組みをやったことが無く、どのように進めればよいのかわからない」という事業所様向けに、当社では、介護事業所に向けた専門プログラムにて、生産性向上の取り組みを支援しております。
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