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簡単に理解する処遇改善加算:改定の背景と加算の取得要件を詳しく解説

目次

はじめに

令和6年度の介護報酬改定に伴い、処遇改善加算についても大幅な変更がなされました。
本記事では、その背景と加算の取得要件について詳しく解説をしていきます。

処遇改善加算とは

介護職員処遇改善加算は、介護サービス提供者が介護職員の給与や労働環境を改善するために設けられた制度です。
この加算は、介護保険が適用されるサービスで働く職員の待遇を向上させることを目的としています。
令和6年度の介護報酬改定により新しい処遇改善加算の運用がスタートしています。

処遇改善加算の種類と違い

令和5年度までは処遇改善加算は下記の3つの加算で構成されていました。
(1)基礎的な加算である介護職員処遇改善加算
(2)経験技能のある介護職員に重点的に配分される介護職員等特定処遇改善加算
(3)一定割合がベースアップ等に当てられる介護職員等ベースアップ等支援加算
の3種類です。

加算の要件としては、任用要件、賃金体系の整備研修の実施昇級の仕組みを設けることなどのキャリアパス要件職員間の配分ルール職場環境や業務改善にかかる取り組みの実施等を求めてきました。

しかし、加算の仕組が複雑で事務手続きも煩雑になるという課題がありました。
こうした現行の3加算について、令和6年6月から介護職員等処遇改善加算への一本化を行い事務負担の軽減や柔軟な事業運営を可能ととなりました。
また令和6年度介護報酬改定では一本化と合わせて加算率の引き上げを行います。

さらに一本化後の新加算では、事業所内での柔軟な職員間配分を認めることとします。
これによりこれまで特定処遇改善加算が算定できなかった事業所も上位区分を算定しやすくなります。
訪問介護事業を例に出すと、加算の取得値が最大2.1%上昇することが見込まれています。

令和6年度の変更点

介護職員の人材確保を更に推し進め、介護現場で働く方々にとって令和6年度に 2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへとつながるよう、令和6年6月以降、 処遇改善に係る加算の一本化と加算率の引上げを行います。
新加算の算定要件は、①キャリアパス要件、②月額賃金改善要件、③職場環境等 要件、の3つです。
令和7年度以降の新加算の完全施行までに、令和6年度の スケジュールを踏まえ、計画的な準備が求められています。(6年度末まで経過措置期間)

引用:厚生労働省「一本化リーフレット」https://www.mhlw.go.jp/shogu-kaizen/index.html

処遇改善加算の要件

処遇改善加算を取得するためには厚生労働省が示している通り、「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境要件」の3つを要件を満たす必要があります。

特に「職場環境等要件」については「生産性向上」の項目が明らかに増加しています。
介護ロボット、介護ソフトに代表されるようなIT化に加えて「課題抽出」という項目が明記されているのがポイントです。

引用:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方 並びに事務処理手順及び様式例の提示について」より抜粋 https://www.mhlw.go.jp/shogu-kaizen/download/A2_about.pdf

厚生労働省は介護業界における生産性向上を下記図のように位置づけています。

引用:厚生労働省「介護分野における生産性向上ポータルサイト」https://www.mhlw.go.jp/kaigoseisansei/index.html

「介護の価値が高まる」ためには人材育成・情報共有の効率化・チームケアの質向上という3本柱が欠かせないということを表しています。

当社では、生産性を向上させるためには、現状の問題把握・課題抽出をすることが出発点だと捉えています。生産性向上というと、色々やるべきことが思い浮かぶかもしれませんが、何から取り組めばよいのか、現状を整理し、優先順位を決める、というのが最初にやるべきことであると考えます。
人・モノ・金・時間は有限です。間違った対策を取らないためにも必ず課題抽出を実行する必要があります。

しかし、課題抽出を行うためには少なくとも下記4つのポイントを押さえておく必要があります。
・問題の構造化(フレーム化)思考
・複数による客観的な視点
・参加者により遠慮、忖度のない発言
・限られた時間内での決着
上記を自法人のみで行う事は難しいというお声をよく聞きます。

そこで当社では、介護職員処遇改善加算と生産性向上に特化した「課題抽出研修」を作成いたしました。
自法人のみでの実施が難しい場合は、ぜひご検討ください。
研修の詳細はこちら>>

尚、処遇改善加算Ⅰ.Ⅱを取得するためには「職場環境要件」の⑰⑱のどちらかを必ず実施する必要があります。

介護施設の皆様が「介護の価値が高まる」ための取り組みについて、お手伝いが可能です。
専門家による「課題抽出」のファシリテートを受けて効果的な取り組みが何か、検討する機会を設けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

介護業界は今「生産性向上」を強く求められています。
ただ闇雲に対策を検討したり、場当たり的な対策を検討することは結果的にムリ・ムラ・ムダを生み出しかねません。
何から手を付けていくべきかを考えるのは2024年中です
そのためのお手伝いを当社では実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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